懐かしい友人からメールが届きました。
ドイツ人のロッテです。
彼女とは、5年前にイギリスの語学学校で知り合ってから、たまにメールしたりスカイプで話したりしていました。ですが、ここ半年ほど連絡がなくて心配していたところでもありました。
彼女が元気だと知り、喜んでメールを読んでいると、そのメールのなかに驚くことが書かれていたのです。
なんと、彼女は断捨離を行っていたのでした!
ドイツ人の友人の断捨離について、シェアしたいと思います。
出会いはイギリス、私から告白?
ロッテは、私より一回り以上年下のドイツ人女性です。
ほっそりとして背が高く、なかなかの美人さんです。
顔の作りだけでなく、雰囲気もどことなくロマンティックながら、理知的な雰囲気もたたえていて、私は一目みて「この子と友だちになりたいな!」と思いました。
当時、私は45歳、彼女は30歳そこそこでしたが、彼女の口癖は「私はもう若くないから」という言葉でした。
うん、確かに、私も30くらいの頃は、そう思っていた気がします。
そして、自分のことはそう言っても、年上の私に対して「年だから」なんて思うことはなさそうでした。
カタコト英語ながら、ちょっと話してみると、好きなものや趣味も不思議に合いそうでした。
それで、あるお昼休みの時間、生徒みんなで学校の芝生でひなだぼっこをしているときに、思い切って、
「私の友だちになって」
と、お願いしてみました。
英語って、こういうときシンプルに意思を伝えやすい気がします。
まぁ、複雑な遠回しでは言えそうになかったというのもありますが、私自身、そんなふうに単刀直入に告白?するのは初めての経験でした。
ロッテは、ちょっとビックリしていましたが、にっこり笑って、もちろんいいわよ、と言ってくれました。
この一年の出来事と断捨離
ロッテは、英語が堪能でした。
その語学学校はレベルが4段階に分かれていて、私より2つレベルが上の、ハイクラスにいました。
それでも仲良くなって、お互い帰国してからも、断続的にやりとりが続いています。
そんな彼女の、昨年までの数年は、大変な激務の毎日のようでした。
勤めていた会社が一種のブラック企業で、休みもほとんどなく、仕事仕事の日々だと言っていました。
そして、身も心もくたくたになった彼女は辞めることを決心し、上司にかけあって、退職前に有給休暇を消化することに成功したのです。
それまでもらえていなかった、正当にもらえるはずの給料をもらい、有給消化のために、実際の退職日よりも1か月以上早く仕事から離れることができました。
その企業で、そんなことをやってのけたのは、彼女が初めてだったようです。
さすがロッテ!!
と、私はひとり勝手に鼻高々でした。。
そんな彼女でしたが、今年からの休暇に入ると、それまでの激務の反動で、やる気がすっかり失せたと言います。
自由な時間を満喫する、と言いながらも、実際はほとんどリハビリ病人のようでした。だらだらとレイジーな時間を過ごし、それが数か月続いたある日、ふと直感的に思ったのです。
物を捨てよう、と。
ロッテは、部屋にあった自分のものを、徹底的に捨てていくことにしたのでした。
断捨離の効果とは
断捨離をする前の数か月、ロッテは休みをとりながらも、それが逆にストレスになっていたと言います。
けれども、物を大量に処分してから、彼女は変わりました。
すっきりと空いたスペースが、開放的な気分をもたらして、更に、過去のイヤな出来事をすべて水に流せる気持ちになったのです。
それからの彼女は、活動的になりました。
友だちに会うようになり、自転車旅行をして、そのうえ、イギリスの語学学校に、再び数週間行ったというのです!!
そう、私たちが出会った語学学校です。
いま、彼女は、新しい仕事を探して、面接をうける準備をしています。きっとうまくいくでしょう!!
国を越えた断捨離
ドイツに断捨離という言葉があるのかどうか分かりませんが、この物を捨てる、という行為から生じるメリットと効果は、国を越えて現実となっていることを、私は今回のことで知りました。
彼女は、断捨離をすることで、人生の舵をふたたび取ることができたのです。
捨てる、というのは、新しい自分に会うことなのかもしれませんね。
そう考えると、私もまた励まされる気持ちです。
捨てることで、自分を取り戻す、そんな彼女にエールを送りつつ、自分自身を振り返った一日でした。