年末に、叔母の家に行っていました。
寒波到来で、雪が心配だったため、行きは列車でしたが、帰りは節約もありバスでした。
途中、高速道路が吹雪いて、視界もままならぬ状態に・・・
そんな長距離バス体験で、日本を感じた一コマがありました。
お掃除手伝い?で叔母宅へ
私が訪ねたのは、母方の叔母の家でした。
所用があり、私一人で出向いたのですが、叔母はこの夏に夫である叔父を亡くして、一人暮らしです。
叔母には娘がいますが、彼女たちは大晦日までは帰省できないということで、私と叔母の二人で、二泊三日を過ごしました。
メインの用事のほかに、叔母宅の掃除の手伝いもするつもりだったのですが、あいにくの私の腰痛ひざ痛発生によって、それはほぼ出来ずに終わりました・・
この腰痛治療院でのつぶやきは、こちらの過去記事がありますので、よろしければお読みくださいませ。
天皇誕生日に想う戦争と平和、整体師の先生のつぶやきから思い出したこと。 - 尼花日記
ちょうど、日本全国に寒波がやってきた日のことでした。
寒くなることは事前に予想できたので、雪による交通渋滞を避けるため、行きは新幹線を組み合わせて列車で向かい、帰りは長距離バスにしました。
帰り道も、雪は当然降っていたのですが、降り始めではなかったことと、帰りは上りだったこともあり、バスの方が良いだろうと判断したのです。
雪の高速道路を走る
さて、帰りのバスについてです。
昼過ぎに出発して、乗車時間は5時間半ほどでした。
途中、南北に走る高速道路は、山間を通っていくため、雪が深いことは予想できました。
でも、正直、ここまでとは思いませんでした・・
乗車前に、念のため、バス会社に問い合わせして、安全を確認していましたし、高速道路は除雪の整備も優れているはずです。
それでも、途中から、雪の降る量も増え、風吹になって、視界が見えにくくなってくると、本当に大丈夫だろうか・・と不安な気持ちも横切りました。
道路の左右の山も谷も川も真っ白で、初めは雪景色を楽しんでいたものの、視界がどんどんなくなって、風が斜めに雪を運ぶ様子しか見えなくなりました。
不安を消すためにも、ここは寝るしかないと、うとうとし始めた私です。
ときどき目を覚まして、雪と風しか見えない車窓をうっすらと眺めてはふたたび眠っていました。
そうして、ようやく雪のない高速道路へ無事にたどりつきました。
感謝の気持ちを伝えること
終点までに、いくつかのインターに止まり、そこで乗客が少しずつ降りていきました。
とあるインターにとまったとき、年配のご婦人が、荷物を受け取りながら、運転手の方に挨拶をしていました。
まるで親戚の誰かに挨拶するように、ていねいにお辞儀をしながら、
「ありがとうございました」
と、頭を数回下げている姿は、単なる社交辞令ではなく、心からの感謝をされているのだな、と思わされました。
そして、その姿がとても美しいのでした。
いえいえと、言葉を受ける側の運転手さんも、プロとして当然だという謙虚なお姿でした。
私はそのありふれたシーンを、日本人の心の美として切り取りたくなりました。
深い雪道を安全運転で乗客を運ぶという、プロの仕事を讃えたい気持ちに加えて、それに感謝する心の美しさを日本の美だと思いたいのです。
挨拶は日本の美徳?
以前、海外にいたときに、ささいなことで日本を感じたことがありました。
それは、公共のトイレでのことです。
順番を並んで待っている際に、用を済ませた人が出てくると、お互いが軽く会釈をする、という習慣が、日本では当たり前にあったものですが、海外にいたときは、この習慣がなくて、違和感を覚えたことがありました。
それでも、日本に帰ってくれば、この習慣はもはや過去のものかと思う機会が多いのも、事実、感じることです。
ほんのちょっとしたことですが、「おもてなし」ではない、ただ、「思いやる」という日本の美、挨拶の美しさを、世界に誇りたいと思った雪の日でした。