尼花日記

尼ヶ辻花子(あまがつじ・はなこ)のブログです。2DKのアパートに、片付け好きの再婚オットと二人暮らし。掃除、断捨離、シンプルライフ等について日記に綴ります。

子どもから「自殺したいと思ったことある?」と聞かれたら、あなたは何と答えますか?

あなたは、こんな質問を子どもからされたことはありますか?

「自殺したいと思ったことある?」と。

突然この問いを投げかけられて、私は答えに詰まってしまいました。

相手は、小学三年生の男の子です。

今回は、このことについてお話したいと思います。

 

自殺したい理由は何?

私は、パートタイムで小さな英語学校の講師をしています。

主に小中学生に、英語の文法を教えていて、ネイティブ講師が教える幼児クラスにサポート役として入ることもあります。

クラスの子どもたちの性格にもよりますが、たいていは子どもたちが活発に発言していて、ときには授業の合間に、親のことや家庭のこと、学校であったことなどを教えてくれることもあります。

それは、春休みに入った土曜日で、いつもより極端に生徒が少ない授業中のことでした。いつも明るくて、大きく笑い、思ったことはすぐ口にだす小学三年生の男の子が、ノートに英単語を書きながら、私に言ったのです。

「先生は、自殺したいと思ったことある?」と。

私は、とっさに意味が分かりませんでした。なぜなら、その男の子と自殺という言葉に、何の関連性もないと思ったからです。聞き間違いかと思ってしまいました。

けれど、男の子は同じ質問を繰り返しました。

どう返事をしていいものか、困った私は質問返しという禁じ手を使ってみました。

「タロウくんは、自殺したいと思ったことがあるの?」

タロウくんとはもちろん仮名です。500名近い児童のなかで、昭和的なタロウという名前を持つ子どもは皆無なのですが・・

タロウくんはいつものように明るく答えました。

「うん、あるよ。」

すると、隣に座っていた、タロウくんと仲良しのBくんもまた「ボクもある」と言いました。

驚いた私は、

「え、なんで?」と思わず聞いてしまいました。

Bくんは、

「こたえたくない。でもある」と言うのです。

それを聞いた私は、目の前にいる小さな体の小学三年生の二人が、中学生か高校生のような錯覚をもちました。低学年の児童との会話にはとても思えません。

「タロウはね、学校でいじめられてるから。だから、自殺したいと思った」と、タロウくんは淡々と話しだしました。まるで、昨日の晩御飯はハンバーグだったとでもいうようなような口調です。

ここで、私はまたしてもすぐに理解できませんでした。

タロウくんは、いじめとはほど遠いキャラクターなのです。

いつも元気だし、明るくてなんでも恥ずかしがらずに口に出して聞いてくるし、天然キャラに近い無邪気さがあって、お母さんからも、家と外でまったく態度が一緒なんです(苦笑)、と伺っていたほどだからです。自分のことをボクと言わず、タロウはね、という話し方をするのも、まだまだ幼さが感じられるほどです。

「ねえ、ねえ、先生はあるの?」

そう聞かれて、私は正直に言うことにしました。

「あるよ。でも、それはもっとずっと大きくなったときで、高校生くらいのときだよ」

「ふうん。なんで?」

「なんでって・・なんでだったかな」

「ずるい。タロウは言ったのに」

「今、思い出してるとこよ、なんでだったかな・・」

「いじめられたから?」

「ううん」

「いじめたから?」

「ちがうなぁ」

「じゃあお母さんに怒られたから?」

「そうじゃなくて・・そう、このまま生きていても意味がないように思ったのよね」

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私の若かりし頃の自殺願望、それは確かにあったと思います。

でもそれは、外からの要因というより、内面の嵐というようなもので、要は「もっとよりよく生きたい」という思いの裏返し的な「死にたい」だったと、後になって自己分析したものです。

小学三年生にとって、さすがにこの哲学的な死については理解しづらかったようで、そのまま流されてしまいました。

あるいは、やっぱりゴマ化されたと思われたのかもしれませんが。

とにかく、タロウくんが死にたい理由は、学校でのいじめが原因でした。

大人にできることは何?

いじめの内容は、叩いてきたり蹴ってきたりする子がいて、それがなぜか分からないということでした。

お母さんにも、先生にも話しているのに、それは止まらないでいるようです。

親には相談していると聞いて、少しホッとしたものの、学校の先生は、低学年の子の暴力を制することもできないのかとビックリしました。

今どきの先生は教師ではなくサービス業だと揶揄されることがあります。親も子もお客なので物を言うことができない??いえ、そんな単純な問題ではないとは思いますが、本当に親が客であるアフタースクールや塾の方が、親にも子にも物を言いやすいとは皮肉なものです。私たち講師は、態度のひどい子にきつく叱ることがあるからです。

このことに、ちょっと怒りを感じたので、私はこう言い放ちました。

「タロウくんみたいなイイ子をいじめるなんて、そんな子は死んでしまえばいいのに

すると、子どもたちは大笑いしました。

「そんなこと言ったらダメじゃない!!」

「言ったらダメだけど、心で思うのは自由でしょ」

子どもたちはもう何も言いません。笑って少しすっきりしたのか、そのあとは授業に戻りました。

そのあと、仕事が終わって家に帰る道すがら、タロウくんのために出来ることは何があるのだろうか、と考えていました。

ここからは、ほぼ妄想です。

私には子どもがいないので、子育ての経験がありません。それでも、親として、相手の子どもが死ねばいい、なんてことが解決策にはならないことは理解できます。理解はできますが、私は親になったことがないので、それでも私が親なら本音だろうと想像するばかりです。まぁ死ななくてもいいので、どこかヨソへ行ってほしいですね。。

でも、親にはなれなくても、たとえば親戚のおばさんとか、年の離れた従姉やきょうだいの立場だったらどうでしょうか。これなら実現性が増しそうです。

まず、私が姉か叔母さんなら、相手の子どものところへ行って、ドヤす。

あるいは、ドヤしてくれそうな強面のおじさんかおにいさんを一緒に連れていっておどす。

・・・どれも非合法な方法ですかね。。

そういえば、思い出したことがあります。

先日亡くなった樹木希林さんが、子どもが子どもをなぐっている場面では、なぐられている子どもではなく、殴っている子どもの方を強く抱きしめるの、と言っていたか、実際にやったのか、、というエピソードを、テレビ番組でどなたかが話していたのを見ました。(あやふやですみません・・)

なぜなら、殴っている子の方により深い業や闇があるのだから、と。

さすが希林さん、私に希林さんの迫力があればマネしたいところです。。実際にやってみたら、ボコボコにされて、器のない私はガマンできず怒ってしまって、中途半端な結果になりそうですが。

いじめている方に問題があるのは間違いないと感じます。

だからこそ、どんな理由があれ、関係のない相手に暴力をふるうことはいけないと、大人は今のうちに教えるべきだと思います。そのためにも、暴力をふるう児童に、威嚇することは必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。。

親ができないなら、先生がする。先生ができないなら、周りの大人の誰かがするしかない、でもそれは、どの大人なのか?? いじめの問題を解決するプロというのが、どこかに存在してほしい・・・

まとめ(のようなもの)

現実の私の立場で、タロウくんのためにできることといえば、せいぜいレッスンを面白くしてクラス内では楽しんでもらう、ということぐらいです。

それでも、いざとなれば乗り込んでもいいんだゾと胸に秘めながら、心を配って様子を見たいと思っているところです。

さて、あなたなら、子どもから「自殺したいと思ったことある?」と聞かれたら、なんて答えますか?