尼花日記

尼ヶ辻花子(あまがつじ・はなこ)のブログです。2DKのアパートに、片付け好きの再婚オットと二人暮らし。掃除、断捨離、シンプルライフ等について日記に綴ります。

平和の国ニュージーランドでテロだなんて。許せないし意味がない。

ニュージーランドクライストチャーチで、テロ攻撃があり、多くの方が亡くなられました。

ニュースを聞いて、信じられず、驚くばかりでした。

その後の報道から、白人と見られる男女が、イスラム教徒のモスクを襲撃したと知り、反移民感情によるものという記事を読みました。

私、尼花は、たった3年でしたが、ニュージーランドに住んだことがあります。

今回の事件で、時間を追うにつれ、私のなかで怒りが沸々と湧いてきました。

今日は、いつもと違う内容の日記になりますが、ちょっとお耳をお貸しいただければ幸いです。。

 

事件があった街はクライストチャーチ

クライストチャーチは南島の主要都市のひとつで、大きな地震があったことが記憶に新しい街です。

私は、北島のオークランドに住んでいたので、クライストチャーチについては話に聞く範囲でしか知りませんが、日本の都市に比べたら、ずっとずっと小さな街のようです。

地震からの復興は、諸事情でいまだ完全にはなされていないとも聞いています。

そんな小さな街で、イスラム教徒の寺院であるモスクを攻撃するとは、まったく理解に苦しみます。

テロという行為自体、もちろん、理解に苦しむような恐ろしい犯罪だといえるのでしょうが、パリやロンドンやボストンなどに比べて、そんなにもイスラム教徒が多いとは思えないし、移民への反発が理由だとしたら、もう、これは、私としては、怒り心頭以外の何物でもないのです。

移民がなくて成り立つ国ではない

そもそも、自国のことでもないのに、私がこんなにも怒るには、理由が二つあります。

1つは、私自身が、移民の立場であったということです。

ニュージーランドで学び、働き、できれば長く暮らしたいと思っていたこともありました。

結局、それは叶わなかったのですが、移民として暮らすことの不便さ、頼りなさ、もっといえば差別される側の理不尽さを、たった3年のなかでも僅かながら感じて生活していました。感じざるを得ない、といってもいいし、それを感じない移民はいない、といえると思います。

つまり、移民は、強弱をつけるならば、あくまで弱い立場なのです。

確かに、一部の国から、大量に移民が流れてしまっている、という傾向はあります。

だから、ニュージーランドにもとから住む人々にとっては、「自分たちの職や住環境を奪われている」気がする、という感情が起こるのも当然かもしれません。

とはいえ、そもそもが、ニュージーランドは、移民がいなくては成り立たない国なのです。産業も経済もサービスも、何もかも・・

これが、理由の2つ目です。

移民が職を奪うというのは嘘

ニュージーランドは、人口がとても少ない国です。

羊の数の方が、人口よりも多いという国であるのは事実です。さらに、工業が発展していない国であり、そのおかげで美しい大自然が残されており、観光国、酪農の国としては名を知られています。

つまり、働き手が、もともと少ない国なのです。仕事の機会も、他国に比べて少ないでしょう。

さらに、経済の点からみても、国内で稼ぐ金額は、他国よりも低い傾向にあるので、自国よりも他国へ出ていきたい人が多いのが現状です。平たくいえば、優秀な人ほど、アメリカやオーストラリアへ出ていってバリバリ稼ぐ傾向にある、というイメージでしょうか。(基本的に、言葉の壁はありませんしね・・)

また、自国民と、移民とでは、働く職種も微妙にライン分けされています。

自国民が「移民に職を奪われている」というのは、数字だけ見ると言えなくないかもしれませんが、では、実際に、移民がしている仕事を、自国民が本当にするのか、という問いかけに、イエスと答えて実行する人は限りなく少数派なのではないでしょうか。

ここも、平たくいうと、「あんた、この移民のやってる仕事を、本当にやるの??(いや、やらんでしょ)」という感じだと思います。

つまり、移民に職を奪われた、なんて言ってる輩は、自分の怠け具合を棚に上げて、仕事をしたくない言い訳にしているすぎない、どこまで他人(移民)のせいにするつもりなのかと、いうのが私の言い分なのです。

イスラム教徒を悪者にするとは時代錯誤もはなはだしい

ニューヨークで起こった9.11同時多発テロ事件からこちら、イスラム教徒、すなわちモスリムの人々への偏見が一度は上がったものの、段々と、「これはおかしい?」と感じる人も増えてきたように思います。

イスラム教徒を悪と考えるのは、アメリカ映画の見過ぎです。

他国と同じく、そのなかに問題を抱えていることは事実であっても、大部分のイスラム教徒は、穏やかで善良なフツーの市民なのだという認識が広がっていますよね。

私がイギリスにいたときにステイメイトだった、当時19歳のサウジアラビア出身の女の子は、やはり敬虔なモスリムでしたが、彼女はこう言っていました。

「私たちの神様は、とても寛大なの。戒律だって、とても柔軟に対処してもらえるし、だから、私は私の神様が大好きなの」。

これを聞いたとき、まさかそんな、と、私はビックリしたものですが、よくよく考えてみれば、仏教でもキリスト教にでも、言えることだなとナットクしたものです。

だから、今どきモスリムを悪と考えるなんて、コッケイ以外の何物でもないと思うのです。

オーストラリア人が犯人の一人?

そして、ここは今のところ最大の謎なのですが、今回の事件の犯人の一人が、オーストラリア人ということなんですよね。

これを、どう解釈すればいいのでしょう。

オーストラリアとニュージーランドは、確かに、深くつながっています。

地理的にも、すぐ隣にありますし、両国を行き来するのもカンタンです。

だからといって、なぜ、オーストラリア人が、ニュージーランドの一都市で、テロを行うのか??もう、まったくもって、意味不明です。

これは、移民云々というよりは、自己の不満から生じる、単なるうっぷん晴らしに過ぎないのではないのか、というのが、「意味がない」と私が言った理由です。

テロそのものを許すわけにはいきませんが、これは政治的な、あるいは信条的な妄信、狂信からくる行為ではなく、ただの個人的な怨恨か鬱憤晴らしのためにテロを装った、凶悪犯罪なのではないか、と個人的には思うわけです。

これはもちろん、件のオーストラリア人だけでなく、他のニュージーランド人の容疑者もそうなのでしょう。

そう考えると、また怒りが沸々と湧いてくると同時に、こんなことで、ニュージーランドを汚されるなんてと、悲しい気持ちになってくるのでした。

いや、待てよ・・ニュージーランド人による、かどうかは、まだ不明ですが、あえて「オーストラリア人が犯人の一人」と先に報道するあたり、もしかしたらニュージーランド政府の思惑なのかもしれない、などと邪推したりしています。

そう、「反移民感情」などと報道するところも、NZ政府の狙いがあるような気もしてきました。いや、だから、あなたたち、移民が必要なんだってば。

・・・あれ、これは、もしかして、未来の日本にもつながる問題かもしれませんね。。

平和の国であってほしい

そんなことで、一個人の意見を、ここまで読んでくださった方、有難うございました。

本当のところ、ニュージーランドは、とても良い国です。

問題もいろいろあるけれど、これからもずっと、穏やかで、美しくて、平和な国であってほしいと心から願っています。

最後になりましたが、この事件で亡くなられた方々に哀悼の意を表したいと思います。